第287章

 アシスタントに預けたあの子は、今頃どうしているだろうか。

 もっとも、ククはいつだって聞き分けがよくて大人しい。たまに酷くやんちゃな一面を見せはするが、分別はわきまえている。手を焼かせるようなことはないはずだ。

 瞬時に理知的な表情を取り戻した前田南を見て、望月琛は胸の奥でチクリとした後悔を覚えた。

 こうなるとわかっていたなら、彼女にはただ笑っていてほしかった。自分の存在が、彼女の心を曇らせてしまうことなど望んでいない。

 けれど、だからといって彼女のそばを離れることなど、望月琛には到底できそうになかった。

 二人は無言のまま、並んで歩を進める。

 夜の帳が下りるにつれ、この...

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